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石村英美子が「とりあたま」で観たり聞いたりしたものを、三歩あるいて忘れないうちに書いています。
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劇団藍色りすと「ソレカラ、」@大博多ホール


藍色りすとを観に行って来ました。

宇ノ木靖子さんと一緒に行ったのですが、
ワタクシも彼女も、この以前この作品に関わった事があります。

なにげに再々々演なので、
いかなるブラッシュアップが施されているのか、期待半分、不安半分。
(不安とは、もし以前関わった時よりも格段に面白かった場合、
やっぱりそれはそれで凹むのではという人間の小さい不安です)


素舞台でした。
以前は照明が入ると内部が見えるハーフミラーを使った、凝った舞台装置だったのですが、
今回は3つの山台を除いてなにも在りません。

ほう。
しかしながら、職場、内的世界、ボクシングジム、スタジアム等、
場面転換が多い脚本のため、還って効果的なのかも。

で、実際、芝居の内容の方はというと・・・

ここで、いい事を書き連ねるのは簡単です。
過去、関係者だったことを加味すると、
大人の対応としては無難なことを書いておけばいいのだと思います。

でも、

でもね、石村は大人では無いようです。


まず、5年も前に書かれた脚本であるにも関わらず、
弱点の補正・日本語の不備がほったらかしであったことが非常に残念でした。

数カ所の変更や、ラストシーンは書き直されていましたが、そこじゃ無いんです。

主人格の涼子が行き着いた決意がもたらした結果、を見せるのではなく、
そこに行き着く心の機微の描写の甘さを加筆修正していて欲しかった。

「わたしがんばるの」(←要約しすぎ)

なんでがんばる事にしたのか、全然伝わらなかったので、
前向きなハッピーエンドが白々しく思えてしまいます。

人との繋がりによってもたらされた勇気なんだよ。ってことでしょうか。
んなもん脚本読んでるから知ってます。そう見せるのが、思わせるのが狙いなのは知ってます。

じゃぁ、どこで人と繋がっていたのでしょうか。
どこで心の交流があったのでしょうか。
どのシーンだったのでしょうか。

伝わったのでしょうか。お客様には。
ワタシに注意力と感受性が無かっただけなのでしょうか。



太田美穂さんの脚本に書かれている台詞の中で、石村が大好きなものがあります。

これは「ソレカラ、」のラスト近く、3つに分かれている人格が、優しい許しと決意と覚悟をもって統合(?)するシーンで出て来ます。

『母さんに、名前があるのを知ったのはいつだった?』

秀逸じゃないですか。

それまでは「役割」であった母親が
「個」であることを認識した軽い(あるいは大きな)衝撃。

自分にとっての関係性だけで認識していた「他」が、
それとは無関係な心を持った「個」であることを認識する瞬間。

他者を「個」として認め、周りの「個」から享受していたモノを再認識し、
またそれによって相手を慮ることを学ぶ。

悩んでいるのは自分だけなんだと、だれもそれを分かってくれないんだと、
すねて甘えていた自分からの脱却。成長の必須過程。

こんな感じのが描きたかったのではないかと。
ただただ推察します。
推察ではなく、感じさせて欲しかったのです。

そして、ちきしょー負けないぞ!と悔しがらせて欲しかったのです。


やはりどうしても、
無いつもりでいても、

石村にはこの作品に対する思い入れが在るらしく、

胸中穏やかならざる観劇後なのでした。
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プロフィール
HN:
石村英美子
性別:
女性
職業:
プロのフリーター
趣味:
惰眠 つまみぐい
自己紹介:
九州在住。
お芝居が好きで、ちょこちょこ観に行っています。最近は観るだけに留まらず、何がしかのお手伝いに行くことも。
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